琵琶 双山敦郎 晴耕雨琵

琵琶プレーヤー双山敦郎のブログ

アフガニスタンの歴史 その2 アフガン侵攻から1990年代まで

 

アフガニスタンというと戦乱のイメージですが、
ここで一息、アフガニスタンの音楽でも聴いてみてください。
 
ルバーブという楽器、ほかの地域だと同じ名前で弓で弾く楽器なんですが、
アフガニスタンだと撥で弾く楽器
 
それにインドのタブラ
日本からみると、よくある民族楽器の合奏なんでしょうが
アフガニスタンルバーブとインドのタブラの合奏なんて
なかなか素敵な組み合わせですよ。
 
そしてコメント欄に溢れるアフガニスタンへの応援メッセージがステキな。
 
大国に翻弄される以前はこんな音楽が溢れていたのです。
このシルクロードの音楽、その東端に琵琶がある、と思うと
何となく身近に思えますね。
 
さて、
1979年のアフガン侵攻から現在まで
1980年代は
前年にソ連アフガニスタン侵攻があり、
冷戦を背景とした対ソ戦争と、ムジャヒディンの戦いの10年
ムジャヒディンとは
「ジハードをする者」という意味で古来にはそんな物騒なワードではなく、
個々の信仰行為、みたいなニュアンス。
 
しかし、近代になってからは
イスラムに則ったジハードをする戦士」と転じる。
 
ソ連不凍港も欲しいし、
緩衝地帯も欲しいので(周りは味方でいて欲しい欲求)、
とにかく南下するんですよ。
 
アメリカがゴーウェストと西に行きたがるのと似てるんですが。(どちらも結果的に日本と戦うし)
 
そこでアフガニスタン侵攻が勃発 1979年
 
アフガニスタン政権がソ連に援助を求めた
という大義名分のもとに駆けつけたのですが、
色々とあって大統領を即刻に殺します。
 
そこから、アフガニスタン内のムジャヒディンがソ連と戦うわけです。
そして、冷戦中のアメリカはパキスタン経由でムジャヒディンに武器も金も流すわけです。
 
アメリカの代理戦争ですね。
ランボー3 怒りのアフガン』でも
ランボーアフガニスタン侵攻に怒って単身アフガニスタンに向かい
対空ミサイルで戦うのですが、
劣勢になったところでムジャヒディンが援護に来る、という。
 
ちなみにこの時にウサマ・ビン・ラディンはムジャヒディンとして
アメリカと一緒に戦っていたのです。
 
ここもドラマですよね。
ランボーに出てるムジャヒディンの中に
エキストラでビンラディンがいたかもしれない。
 
ちなみに我々世代での現代史のバイブル
漫画『マスターキートン』でも、12巻「赤い風」で
ほら木の枝とか万年筆とか身の回りの物で殺すKGBスパイいたじゃないですか、
彼はアフガン侵攻のときに電気技師としてアフガニスタンにいったところ戦火に巻き込まれて亡くなった設定で
実はKGBになっていた、という。
 
そんなアフガン侵攻
ソ連は戦果をあげられず疲弊し
1988年に和平、ソ連撤退、ソ連崩壊の一因となります。
 
それで一応はムジャヒディン政権が樹立される。
 
そこからがまた多難の歴史が続きます。
 
1990年代ですね。
ソ連が撤退した瞬間にアメリカは関心を無くす
しかし国はズタボロ、米ソが残した大量の武器を前にムジャヒディン勢力も内紛に
 
ここが悲しいところで
アフガニスタンの戦争は大国に翻弄されただけではなく、
自律的に安定した政権を立てられなかったことにもある。
(ここまで荒廃させられて、それも無理な話か)
 
そんな内紛に嫌気が差した中で
とうとう登場のタリバンです。
元は「学生」の意で、
スンナ派パシュトゥーン人の学生を主な構成とする。
 
対するムジャヒディンは色んなグループがあったのですが、
タリバンで結束して後に「北部同盟」を作る。
 
ざっくりタリバンvs北部同盟と思ってもらえればよいです。
 
民族構成は、
 
北部同盟は、パシュトゥーン人もいるのですがタジク人やハザラ人、ウズベク人など諸民族連合のようなイメージです。
 
ちなみに、タリバンの中には
元はムジャヒディンにいたイスラム学院のグループもいたのです。
つまりは、
タリバンアメリカが武器を渡してアメリカが育ててアメリカが火をつけたようなもんですね。
 
1990年代は
タリバンvs北部同盟なのですが、
徐々にタリバン優勢になり、
1996年首都カブール制圧、タリバン暫定政権
 
そんな中で、
いよいよウサマ・ビンラディンです。
 
 
ここで、とりあえずアフガニスタン現代史で四人覚えといて欲しいのです。
 
一人目が、
第三次英アフガニスタン戦争で独立を勝ち取ったアマヌッラー
アフガニスタン版のケマルアタトュルクです。
急進的過ぎて失脚
 
二人目が
第二次世界大戦で中立を守り
憲法制定などの近代化
温泉行ってる間にクーデター
 
三人目が、
クーデターを起こして後の親露の社会主義政権に繋がった
ダウード
 
四人目が
オサマビンラディンですね。
 
ビンラディンからはまた次回に