琵琶 双山敦郎 晴耕雨琵

琵琶プレーヤー双山敦郎のブログ

クリスタル撥

f:id:tegeist:20211129120652j:image

 

クリスタル撥

 

和楽器を扱う武蔵野楽器さんが琵琶のクリスタル撥を開発したというので試奏しにいきました。

 

サークル時代にも鶴田錦史先生が開発したプラ撥を使ったことあったのですが、
重かったり引っかかったりして、弾きにくく、

あまり期待せずに弾いたところ。

 

いや、弾きやすい。

もちろん柘植撥とは違うのですが、
音の粒がクリアですし、程よい重量感で音量も大きく。
すごい進化だ。

 

早速注文してしまいました。

 

このクリスタル、色んな文脈があります。

 

第一には、もちろん見た目。
楽器も撥も、人間は透明にしたくなるもので、
ピアノもギターもドラムもバイオリンも三味線も三味線撥も。

およそ思いつく楽器は、
とりあえず透明になるのです笑。

 

そういった見栄えの印象を変えるという点の文脈。

 

第二に、新素材である点。
薩摩琵琶の撥は柘植や柊などの木材ですが。

木材以外の素材である点。
これは透明ですが、
マッドな木目の色合いにしてもよいです。
ギターのピックは、およそプラや金属から木や石、コインもありますが、
そういう新素材の可能性の点。

 

第三に、安価であるという点。
柊撥が6万円、柘植撥は、、、○十万円
初心者が始める上でもクリスタル撥は柊の半額で試しやすい。

 

第四に、象牙レス

筑前だと象牙撥がありますが、
象牙色で染めれば象牙撥の代替品という試みも可能かと。

 

最後には、鶴田先生の遺志ですね。
さきほど鶴田錦史先生がプラ撥を開発していた、とサラリと書きましたが、
それは30年前の話、
金型をン百万円で発注して作製したというのですから、時代から考えても飛び抜けた話なのです。

 

琵琶で新しいことやろうとすると
鶴田先生が大体やってる、という『鶴田先生の壁』にぶち当たるのです。

 

ストラップもエレキも新素材撥も
映画音楽もオーケストラもバンドも、

思いつくところは鶴田先生が実行しているか思いついている。

 

とはいえ、鶴田先生と比べても仕方ないので、
現代人としてやれることをやりたいと思います。