琵琶 双山敦郎 晴耕雨琵

琵琶プレーヤー双山敦郎のブログ

ラヂオ収録 明智左馬之助秀満の湖水渡り

ラヂオ収録

コンクールで幸運にも2位だったので、
NHKで放送されることに。

 

ということで、
来週に収録なのですが、

コンクールが7分のところ、
ラジオ版には9分にする。

 

この2分が難しい。

 

そもそもは琵琶曲は大概が長く
『湖水渡り』もたっぷりやれば20分超でしょうか。
それを7分なのでダイジェストなのです。

 

M-1グランプリと一緒で
劇場のネタを4分にカットする。
カットの仕方がかなり左右するのです。

 

が、この7分で
それこそコンクール用にン百回と弾きこんでるので、
あと2分が難しい。


ワンシーン足すには短く、
「くずれ」(ギターソロのようなもの)を足すには若干長い。

 

悩んで悩んで。

このワンフレーズだけ足すことに。


「一萬余騎の敵軍もこの勢いに堪ええず
算を乱して崩れけり」

 

秀吉軍の急先鋒、堀秀政が一万
対する明智秀満は、手勢僅か300

 

明智左馬之助秀満は、なんとかして琵琶湖を迂回して坂本城に辿り着いて、
山﨑合戦から逃げ延びてる(かもしれない)光秀と合流し、体勢を立て直したい。


対する堀秀政は、左馬之助が坂本城に立て篭もられたら長くなる。
城主不在のまま城を落としたい。

 

そこで、
普通に考えれば堀秀政が優勢
この琵琶歌の群勢は、かなり「盛って」るんですが、
それでも数千と数百の、一桁の差はあっただろう。

 

しかし。
なんでもそうですが、大将の周りには精鋭・手練れが配置される。
左馬之助に近づくにつれて純度が高くなる。
また、多勢の側も急先鋒は死亡率高めなのでさほど優秀な兵は配置されてない。


また、円周が小さくなると同士討ちが怖いので弓鉄砲も使えなくなる。
だからこそ、多勢に無勢でも、最後の討ち取るまでは手こずるわけです。


真田幸村もしかり。

 

左馬之助と、それを守る数騎も、
堀秀政軍の、真ん中を突っ切るイメージですね。
堀軍は備中岡山から戻るので疲労していたのもあった。

 

いよいよ進退が極まって
琵琶湖沿いのルートが消えたので
琵琶湖を泳ぐウルトラCを敢行したのですが。

 

その、まだ数騎いる中で一矢報いているくだり。

これを、堀秀政の視点で語ろうかと。

基本的に湖水は、ナレーション視点か左馬之助視点なのですが、
ここは「天晴れよ左馬之助」という視点で語りたい。

 

というのも、
堀秀政と左馬之助の格ですね。
左馬之助は光秀の側近として朝倉家の客分時代からの生え抜き

 

とはいえ、
堀秀政は、信長秀吉と仕え、
小牧長久手の戦いで活躍して最終的には18万石の大名

 

天晴れ左馬之助という

おそらくは、左馬之助が琵琶湖を渡ることができたのも、
堀秀政のその気持ちがあったからこそ、静観したんではないか。

 

ここは、日本史的にはマイナーキャラの堀秀政の視点で語りたい。

 

とまぁ、
気持ちを作って、また9分を仕上げねば。