琵琶 双山敦郎 晴耕雨琵

琵琶プレーヤー双山敦郎のブログ

アフガニスタンの歴史 その1 紀元前から1970年代まで

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タジキスタンアフガニスタン パミールハイウェイ

 

さて、今ホットなので、
アフガニスタンの歴史をかいつまんでみようかと思います。

 

むかーし昔からいうと
紀元前から今まで僅かな時期を除いて
大国の侵略と干渉を受け続けてきた国で

 

アレキサンダー大王に始まり、
ササン朝ペルシャ(琵琶の起源バルバットの生まれた王朝)
ウマイヤ朝アッバース朝
モンゴル帝国ムガル帝国と、

 

アジアのメイン王朝をコンプリートしてるのでは、というぐらいに
どこかの領土になっていた。
基本的には遊牧民族の国

 

ところで、
1709年ようやくアフガニスタンの王朝の歴史スタート
パシュトゥーン人アフガニスタンの多数派)の
ボータキーがボータキー朝を設立

そこから色々と王朝はかわりつつ、
ドーストムハンマドという王が
アフガニスタン首長国に国名かえてアミール(総督、的な)

 

これ面白いのが、
アフガニスタンは色んな王や指導者が出てくるのですが、
ハーン、と名乗ってる人は遊牧民族のニュアンスがあり、
アミールはアフガニスタンの王様のニュアンス
シャーはペルシャのニュアンスと、

 

その指導者が何にアイデンティティを持ってるかが少しわかるという。

 

ちなみに、豊かでのどかだった時代の中央アジアの生活を知りたい方は
是非とも漫画『乙嫁語り』を読んで頂きたい。

 

あれはタジキスタンだったりキルギスだったり、
もう少し北が舞台のようですが、
ロシアやイギリス、後にはアメリカと
欧米の大国が手と口を出す前の、平和で豊かな中央アジアがわかります。

 

あの漫画でも、ロシアの南下を警戒する場面がある。
アミルの実家の好戦的で獰猛な遊牧部族にとってもロシアは脅威で、
もはや遊牧民族が優位だった時代はとうに終わってますからね。
日本では騎馬隊よりも銃が強いのは信長が長篠で実証。

 

そんでもって、
ヒロインのアミル、年下の夫のカルルク君を引っ張っていく芯の強い女性ですが、
「アミル」のもつ言葉の強さもキャラ設定にあるのでは。欧米でいう「アレックス」みたいな。

 

そんなドストムハンマド王(アミール)のときに、
ロシアの南下に警戒したイギリスが、
アフガニスタンに親英政権作ろうと介入していく。
1838年第一次英アフガン戦争
ここからが欧米の介入の歴史スタート

 

このときはイギリスvsロシアの構図ですね。
ロシアはなんとしても冬でも凍らない港が欲しくて、
イギリスはそれを阻止したかった。

 

ちなみに日英同盟もイギリスの思惑はそれで、
極東では日本頑張って南下防いでね、と。
当時弱小国ながらイギリスと同盟できたのは日本にとっては大きかったのですが。

 

まぁそんな英アフガン戦争は
第一次はアフガニスタンが勝ったんですが
第二次は負けて保護国に、
そのときにパキスタンとの国境か引かれて(デュアランドライン)
アラビア海と接しなくなり、またパシュトゥーン人が国境で分離されちゃった、と。
これ後から出ます(←塾講がよくいう笑)

 

 

第一次大戦
1919年第三次英アフガニスタン戦争はアフガニスタンが勝ち、
イギリスからの独立を勝ち取る。
アマヌッラー・ハーン王 英雄ですね。

 

アマヌッラーはトルコのケマルアタトュルクに影響されて
多妻制や、夫亡くなったら兄弟と結婚する風習(ラビラト婚、『乙嫁語り』にも出てきますが)の廃止、女子教育の拡充など手をつけるのですが
改革が急進的過ぎて失脚


トルコになるのは早過ぎたか、

 

そのあと、第三次英アフガニスタン戦争の英雄
ナーディルハーンが即位
1933年その息子ザーヒルシャーが即位

 

このザーヒルシャーが割と大事な人で
何年かしたらザーヒルの映画ができるのでは、
ラストエンペラーならぬラストアフガンキングで、
更に911後のアメリカ統治政権に返り咲くという
なかなかドラマ性のある人物、

 

ここでザーヒルに肩入れしながらみると、
第二次世界大戦では連合国にも枢軸国にも与せず中立を保ち(なかなかの決断)
1964年には憲法制定など近代化へ

 

しかし、
ここで悪役ムハンマド・ダーウドハーン
1973年
ザーヒルナポリの温泉いってる間にクーデター
ソ連の援助を求めてソ連軍が駐留することに、


1978年社会主義政権樹立

 

そして1979年ソ連のアフガン侵攻

 

ここら辺からようやく手の届く現代史ですね。
このときはムジャヒディンとアメリカは仲良しで、
ランボーはムジャヒディンと戦ってる、
ビンラディンもムジャヒディンにいたので、
ランボービンラディンは仲良くソ連と戦っていた。

 

 

さて、ながくなったので
一旦大雑把にまとめると、

1.
紀元前から17世紀まで
色んな大国の領土、アレクサンダーからモンゴル帝国ムガル帝国


2.
18世紀から
アフガニスタン王朝スタート


3.
19世紀から20世紀初頭1930年まで
イギリスvsロシアの構図の中でイギリスの保護国だったり独立したり


4.
1933年イギリスからの独立から1970年まで
ザーヒルシャーによる第二次世界大戦の中立国維持からの
憲法制定、近代化

 

ここからは10年ごとの括りがわかりやすいです。

5.
1970年代
相次ぐクーデターと親ソ政権樹立

6.
1980年代
冷戦を背景にした対ソ戦争と
対ソのムジャヒディンの戦い

7.
1990年
米ソの撤退後の無関心時代
タリバンvsムジャヒディン

8.
2000年からの20年、
911からのタリバンvsアメリ
からの泥沼親アメリカ政権時代

9.

2021年〜
タリバン政権復活からの
さてどうなるのか、うっすら親中、親露の
テロリストと麻薬の輸出国家になるのか、、、
多少は国際社会の目の中で
タリバンがゆるりと民主化していくのか、、、

 

 

アフガン侵攻からはまた今度